24 12月 2015
米国ストラテジア製薬:富士フイルムの抗がん剤 FF-10501の米国における第1相臨床試験の進捗状況を米国血液学会年次総会にて発表
ボストン-(ビジネス ワイヤ) – 米国マサチューセッツ州ボストンに本社を置く総合医薬研究開発会社ストラテジア製薬は、富士フイルム社のFF-10501の米国第1相臨床試験における進捗状況を発表しました。FF-10501は、再発・難治性高リスク骨髄異形成症候群(MDS)と再発・難治性急性骨髄性白血病(AML)を対象として、米国での臨床開発を進めています。米国第1相臨床は現在、FF-10501の用量を上昇(5用量目)中ですが、これまでのところ、FF-10501は忍容性が高く、期待できる初期的な有効性を示しています。
米国テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンター(MDCC)の教授で、特にMDSの世界的権威であるGuillermo Garcia-Manero 教授(ガルシア教授)が、この臨床試験の治験責任医師を務めており、第57回米国血液学会年次総会にて、それらの結果を発表しました。
ストラテジア製薬は、富士フイルムの子会社 FUJIFILM Pharmaceuticals U.S.A., Inc. (FPHU) の主要な戦略的グローバル医薬品開発プロバイダーとして、MDアンダーソンがんセンターにて、脱メチル化薬(HMA)耐性白血病細胞株に関する前臨床研究を促進させ、血液悪性腫瘍対象FF-10501の米国第1相臨床試験を策定し、実行しています。
その前臨床研究において、FF-10501は、グアニンヌクレオチドのデノボ合成を阻害することにより、HMA耐性のAML白血病細胞株においても、強い抗増殖効果とアポトーシス促進効果を示すことが明らかとなりました。
また、これまでの第1相臨床試験結果では、FF-10501を投与した全17人の患者さんにおいて、高い忍容性などが確認されました。臨床試験は現在進行中ですが、下記に示す主要な途中結果が示されています。
• 投与した全17人(MDS:4人、AML:13人)の患者さんにおいて、FF-10501が高い忍容性があること
• 再発・難治性AMLの13人の患者さんのうち、2人の患者さんが2サイクルに渡り、部分寛解(PR)が見られたこと
• 再発・難治性高リスクMDSの4人の患者さんのうち、1人の患者さんに骨髄寛解が見られたこと
• FF-10501のPKパラメータは、これまでの臨床試験での投与量範囲内でリニアーであること
• PD解析の結果、1日2回50mg/m2以上を投与されている患者さんにキサントシン一リン酸の高い抑制作用が見られたこと。
MDS は、血液腫瘍の一種で、血球を作る造血幹細胞に異常が生じて十分な量の血球を作ることができなくなった結果、血球減少を起こす疾患です。また、一部、予後不良の患者さんでAMLに進行する難治性疾患でもあります。現在、米国内の MDS の患者数は 6 万人で、特に高齢者に多く認められます。FF-10501は、血液がん細胞の増殖を抑制するだけでなく、正常機能を持つ細胞への分化を促進することが期待されています。
今後、さらなる高用量の投与が計画されており、第2相試験推奨用量決定後に、前期第2相臨床試験を開始する予定です。
ストラテジア製薬にとって、FPHU のパートナーシップによるこの臨床試験の成功は、ストラテジアが目指す次世代型の医薬品 R&D プラットフォーム(各プロジェクトにとって最高の少数精鋭チームを駆使した新たな医薬開発方法)の確立にとっての重要なマイルストーンなのです」と語るのは 、ストラテジア製薬のCEO(最高経営責任者)兼社長の古屋圭三博士です。「両社は、有望な新規抗がん剤開発を待ち望む患者さんのために、業界標準を打ち破る開発スピードと高質で安価な開発を達成するための斬新なアプローチを駆使し、画期的な治療法を提供することに最大限の努力をしていきます。」
この臨床試験は、FPHU とストラテジア製薬とのコラボレーションによる臨床開発の最初の例であり、ストラテジア製薬は今後もFPHU の抗がん剤開発のグローバル戦略を最適化・実行していきます。ストラテジア製薬が有する抗がん剤開発の高い専門性と ネットワークを利用しての世界最高のリソースとのコラボレーションを駆使して、今後も、世界中のがん患者さんのため、より効率的で優れた結果を FPHU に提供していきます。
ストラテジア製薬 (Strategia Therapeutic, Inc.) について
ストラテジア製薬は、米国ボストンに本社とヒューストンに医薬研究開発センターを持つ、次世代のグローバル医薬開発を実現していく総合医薬研究開発会社です。新薬開発プロジェクト毎に、世界中から最高峰の専門家を集めてそのプロジェクトに最適なチームを結成し、より成功確率の高い新薬開発を実現し、患者さんが必要な薬を一日も早くより安価でお届けすることを目指しています。
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