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05 5月 2015

TapBoost®技術: 発現困難なタンパク質または抗体の生産性を高める新テクノロジー。

PEGS タンパク質・抗体工学サミット・ボストン大会

Abstract
遺伝子組換えタンパク質治療薬は、哺乳動物細胞システムにより生産される際に、しばしば、ミスフォールディングの問題が発生し、細胞内のタンパク質品質管理システムにより、粗面小胞体に内在したままの状態となり、細胞外への発現が困難となります。私たちは、TapBoost®技術と呼ぶ新しい技術を開発し、ターゲットタンパク質だけを対象にしたフォールディングと細胞品質管理システムの支援を可能にしました。特許申請済みのTapBoost®(タンパク質)は、ターゲットタンパク質である治療用タンパク質と共に発現され、そのターゲットタンパク質と相互作用し合うことで、ターゲットタンパク質の生産を増加させます。TapBoost®を用いることにより、モノクローナル抗体とFc融合タンパク質を含む多くの遺伝子組み換えタンパク治療薬の生産増加に成功しました。ここで重要なのは、TapBoost®技術で生産されたモノクローナル抗体が、対応するエピトープと結合し、その生物活性を保持できることです。興味深いことに、TapBoost®技術はGタンパク質共役受容体(GPCR)などの発現困難なタンパク質の発現の向上を可能にし、TapBoost®で発現されたGPCRは、リガンド結合後に活性化されます。さらに、凝集しやすいタンパク質を、TapBoost®技術を用いて生産した場合は、凝集が極度に減少されます。この特有なメカニズムにより、現存の発現技術とTapBoost®併用することで、治療用タンパク質の生産をより効果的に向上させることが可能です。

プレゼンテーション「TapBoost®:抗体とタンパク質の生産を改善する画期的なプラットフォーム」-”

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菱谷彰徳 – ディレクター(バイオロジー部門長)、生物学博士
ポール・ウェンゲンダー(Paul Wengender)- TapBoost®技術・事業戦略部門長